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部落の心を伝えたいシリーズ
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第7巻
「人間の尊厳を求めて」
−解放運動50年・森田益子−
2005年11月制作/25分作品
ライブラリー価格 55,000円(税込)
DVD:字幕なし
視聴できます
作品の内容
2人の教え
1924年、高知市の被差別部落に生まれた森田益子さんは、部落解放運動の最前線で闘い続けてきました。その原点となった生いたちを、森田さんはこう語ります。
「部落差別の前に女性差別があった。貧しさの中、石工や荷車引きなど、男にまじってありとあらゆる仕事をしてきました」 30歳で部落解放運動と出会った森田さんに、解放運動に関っていた父は厳しく言い放ちます。「おまえも、いらんこと始めるか。人の世話をしても、礼も言うてくりゃぁせんぞ。それを覚悟しておれ。また、信頼した同志に裏切られるときもある。そのときにうらまずに乗り越えられるなら、やれ」
そして大きな転換期となったのが、藤沢喜郎さんとの出会いでした。藤沢さんは、部落解放同盟中央本部副委員長も務めた、高知の解放運動の中心的な人物でした。「どんなところから大衆に招かれても出ていけ。そのために確固たる理論とそれを裏づける実践がなければいけない。理屈だけでは、人に感銘を与えることはできない」この2人の教えは、その後の森田さんの人生を大きく方向づけることになります。
仕事保障への取組み
森田さんは1975年に50歳で初当選以後2003年まで、28年間に亘り市会議員、県会議員を務めました。その間、差別の撤廃・社会保障の底上げのため、さまざまな差別糾弾や行政闘争を行いました。その1つ、生活保護法の110年ぶりの改正へ向けての取り組みは、男女同権の礎を築いた歴史的な闘争でした。
さらに差別の本質は仕事、仕事保障こそ人間解放の道と、森田さんはトイレや公園、公共施設の清掃、さらに競馬場、市役所の警備などの委託を受け、部落大衆の仕事保障を着々と実現していきました。
高齢化時代を迎え、2000年からは介護保険事業をはじめました。仕事保障と福祉運動の融合です。現在、訪問介護の利用者は600人、ヘルパーなど福祉関係者は350人に上がります。
「やさしい里」を建設
2004年、待望の「やさしい里」を自力自闘で建設。ここは、福祉活動こそ究極の解放運動だと語る森田さんの集大成の場です。「尊厳をもって接する」という森田さんの考え方をスタッフ全員が深く共有、部落の内外を超え地域とのつながりを深めています。今日も全国からの見学者が絶えません。
森田さんは言います。「子どもを叱るな、わが来た道。年寄りを粗末にするな、わが行く道」。愚直なまでの当たり前の信条は、森田さんの80年の人生の真実です。そして、誰もが納得できるからこそ、森田さんの解放運動は大衆の心を掴み、歴史に残る大きな足跡を遺してきたのではないでしょうか。
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